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Pick UP Watch 2007年8月23日号BREGUET（ブレゲ）＜アエロナバル+トランスアトランティック＞特集「名門ブレゲの傑作クロノグラフ」

　1775年以来の歴史を持つ時計ブランド、BREGUET（ブレゲ）。初代である時計師アブラアン＝ルイ・ブレゲの登場により、時計の進化は２世紀早まったと言われています。実は、自動巻機構、トゥールビヨン、永久カレンダー、パラシュート（対震装置）、文字盤のギョウシェ彫りなど、現在でも時計作りにおける重要な技術は、ほぼBREGUET（ブレゲ）が発明してしまったと言っても過言ではありません。

　また、初代ブレゲの時代より、マリー・アントワネット、ナポレオンをはじめ、ローマ法王ピオ７世、オスマントルコ皇帝セリム３世にいたるまで、時の権力者やヨーロッパ各地の王侯貴族がブレゲの顧客であり、BREGUET（ブレゲ）の時計づくりに惜しみない資金援助を行ったのです。

　こうした華々しい歴史に彩られたブレゲは、一時製造中止の憂き目にあいながらも1970年に復活を遂げ、現在の時計シーンを牽引するグランメゾンとして多くの素晴らしい時計を作り続けています。その中でもアエロナバル、トランスアトランティックは常に目が離せないブレゲの大ヒットモデル。今回はこの２つのモデルに注目しました。

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アエロナバル
革ベルト
￥568,000～￥576,000（税込）

アエロナバル
ブレス
￥635,000～￥678,000（税込）

トランスアトランティック
革ベルト
￥611,600～￥690,900（税込）

トランスアトランティック
ブレス
￥718,000～￥774,900（税込）

トランスアトランティック
TYPE XXI　革ベルト
￥788,000～￥795,900（税込）

トランスアトランティック
TYPE XXI　ブレス
￥780,000～￥918,000（税込）

　時計の進化を二世紀早めた男、天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲの没後も、後継者によって脈々とその系譜が受け継がれ、「BREGUET（ブレゲ）」の名前を冠したメゾンは隆盛を極めていきました。

　そんな歴史と伝統を誇るBREGUET（ブレゲ）は、ブレゲ針と呼ばれる独自の針の造形や、BREGUET（ブレゲ）数字と呼ばれる独特のインデックスなど、デザインにおいても時計業界に大きな影響を与えています。そして、そのクラシカルでエレガントな意匠は、今日においても同ブランドの時計を象徴するものとなっているのです。

　しかし、そんなラインナップの中にあって、異色ともいえるシリーズが存在します。それは、ブレゲ唯一のスポーツモデル、「アエロナバル」と「トランスアトランティック」のコレクションです。

　実はこの時計、現代のモデルで三代目。初代モデルはなんと、1950年代にフランス空軍にクロノグラフの時計を依頼され、ミリタリーウォッチとして納入したという、正真正銘のパイロット専用時計でした。
　1995年には、上に挙げた伝説的名機「タイプXX」が復刻され、「アエロナバル（=海軍航空隊）」と命名されます。当時も雲上ブランドとして時計業界に君臨し、クラシカルな意匠に傾倒していたブレゲですから、このステンレススチール製スポーツモデルの復活劇は、同ブランドを支持する人びとにとってたいへん意外なものでした。しかし、巨匠の創り出すスポーツウォッチは極めて美しかったため、大きな話題をさらったのです。

　このようにして誕生し、そして復活を遂げた「アエロナバル」のシリーズは、瞬く間に大人気モデルとなりました。後にムーブメントにデイト機構を加え、ケースやインデックスのディティールをより洗練されたものへと昇華した、「トランスアトランティック」のシリーズも誕生。ドーム型にかたどられたサファイア風防や、ケースサイドのコインエッジがどことなく優雅な雰囲気を漂わせる、エレガンスなスポーツウォッチとして愛され続けています。　