いつの時代も、美しいジュエリーは女たちを虜にし、耽溺させてしまう。溜め息をつきたくなるような細やかな金属細工、妖しい宝石の輝き……それらがいかに自分に彩りを添えるか。鑑賞するだけではなく肌でたしなむのが、旧来女たちのやり方である。それは腕時計であれ同じだ。難しいムーブメントの解説や歴史的逸話を聞くよりもむしろ、優美な姿を一目見ただけでかんたんに恋に落ちてしまった、なんてこともままあるだろう。しかし。本当によくできた美しいものほど、つくり手の「魂」が込められていたり、バックヤードに素晴らしいストーリーが潜んでいたりするものである。

　 すでに活況を呈しているメンズのアンティーク時計市場に比べ、婦人向けのアンティーク時計市場はここ10年ほどでようやく注目されるようになった。最近になって老舗の時計メーカーたちがこぞって自社アーカイブの復刻モデルを発表している中、1960年代までに製造されたオリジナルモデルに熱い視線が注がれるのはごく当然の成り行きだろう。実は近年のメンズアンティークウォッチの人気の高まりによる価格の高騰ぶりに比べると、レディースはまだまだ手ごろな価格帯をキープしているのをご存知だろうか。ダメージの少ない極上コンディションの時計を手に入れるのも、今なら夢の話ではない。つくり手の本気がかいま見える＜本当に美しい時計＞を求める女性たちの中で、じわじわと耳目を集めているアンティークウォッチ。その魔法のごとく魅惑的な世界を、大阪・本町にたたずむ専門店＜アンティーク初金堂＞よりお届けしよう。

　 アンティークウォッチに魅せられてから、はや10余年。所有する時計はすでに37本！ 私自身、アンティークウォッチにずっと心を奪われ続けているんですよ(笑)。その魅力？そのつくり込みの繊細さ、＜工芸品＞としてのたたずまい……。色々あるのですが、うまく言葉で伝えることができない「なにか」が宿っているような感覚でしょうか。つくった職人の「魂」もそうですけど、腕時計を修復して現在へと受け継ぐ職人の「魂」も、確実にこもっていますからね。＜初金堂＞と提携する修理会社の職人さんたちは、志がすごく高い。彼らのバックアップによる安心感・信頼感は、専門店として大いに誇れることのひとつです。＜初金堂＞は、女性スタッフが2人いますから、アンティークウォッチの専門店に初めて足を運ぶ女性の方にも、気軽に遊びに来ていただきたいですね！きっと、本当に気に入った逸品との出合いが待っているに違いありません。