アンティークの重鎮が語る「時計との出会い」

アンティーク時計を扱う者としての確固たる矜持、そして古い時計の魅力を最大限に伝えたいという、余人には真似ができない熱い思いが、現在の日本人のアンティーク時計文化を大きく支えている。
アンティーク時計を扱う使命
もしお客さんが時計のことを知らない場合は、シンプルなものを求めているのか、チープな感じを求めているのか、クロノが好きなのか、自動巻がいいのかを伺います。それで、そこにひっかかりそうなものを何点か見せて、それぞれ機能的なお話もさせて頂いて、『ロンジンってご存知ですか?』とか『ロレックスはどうですか?』っていうお話もします。で、そこですぐ購入していただくんではなく、例えばその時計の写真を撮ってお渡しして、『もし夢に見たらまた来て下さいね』なんて言いつつ、お客さんにも考える時間を持ってもらう。で、まあ『有竹って面白いヤツだったな』って思ってもらえたら、もう私は満足。古い時計の良さっていうものを知っていただくのが我々、アンティーク時計を扱う者の使命じゃないかな、って思うんです。
PATEK PHILIPPE 18K GOLD Ref.2479
レクタンギュラーケース オリジナルブレス 1950〜55年製
\3,570,000(税込)
現行品を否定しているわけではなくて、あくまでも現行の時計というのは『時間をみるためのもの』なんですよ。ただ、時計というものは、1900年代初期の時代を乗り越えて、1950年代に入り、自動巻へと、古い時計があって今日の時計がある、また将来の時計もある。こういうふうに繋がっていると。やはり現行が好きな人は現行の時計、古い時計が好きな人はアンティーク時計。やはりアンティーク時計には1本1本違う『味』があります。その世界に私も入り込んで、イギリスと言う大きな市場で何十万個と見て来てるし、ビジネスもやってきましたが、本当に1本1本違うし、出方も違う。
「ほんと、時計にはパテックもあればロンジンもあれば、バシェロンも、ジャガールクルトもありますが、やはりロレックスがアンティークの時計のブームを作ったと言いますか、その、ロレックスは、幅広いですよね。オイスターのようなものもあれば、プリンスのようにエレガントなものもあって、スポーツモデルでは、海陸空と制覇するようなモデルもあって、金とスティールのコンビネーション、銀もある、色々なモデルがあって、それだけでコレクションの対象になりますよね。やはりオイスターの話をすれば、古いものでも状態よく残っているものが多いです。50年70年経っても、外が汚れていても、中を開ければきれいだし。オイスターの素晴らしい特徴ですね。
アンティークでも世界的にパテックもIWCも値上がりしましたが、それはロレックスアンティークのブームがあってのことで。ロレックスは、我々がたずさわる30年前から、そしてこれからもずっと値段は上がって行くでしょうね。価値は付いて行きます。ちょっと行き過ぎな嫌いはありますけど。まあ、パーツは消耗しますから、それは直してあげないといけないですが。ホントにアンティーク時計というのは、奥が深い。私は日本を出て、空手をやめ、いい人たちのとの出会いがあったから、この世界に入って30年以上やってきてますが、もしもう1度生まれ変わっても、もう一回やりたい。それぐらい魅力的な世界ですね。
Dazzling - SHIGGY COLLECTION -
 
〒150-0001 渋谷区神宮前4-25-10
TEL:03-3475-6677
営業時間11:00〜19:00
定休日 水曜日
 
 
『ROLEX SCENE 1913~1997』
有竹氏のROLEXコレクションの中から、厳選した400本を掲載。
1913年から1997年までのモデルを広くカバーした、世界屈指のROLEXコレクション本である。それぞれの時計に、細かいコメントがつけられていて、手に入れたエピソードなども興味深い。右の写真は有竹氏にサインを入れていただいたもの。(ワールドフォトプレス発行)
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