緊急指令!初金堂でお宝時計を探せ!

月イチ刊行!初金堂新聞
 初金堂がこの6年間歩んできた軌跡をたどるのに、うってつけのものを見つけた。
 『初金堂新聞』である。毎月刊行される会報誌として、全国のアンティーク時計ファンに届けられているのだが、そのデザインと内容たるや、かなりの凝りようである。「国産特集」「無銘メーカー特集」、さらに「アンティーク時計談義」「バックシャン(裏蓋が美しいモデル)特集」「初金おやじ、ロンドンを行く」……等々、バックナンバーを眺めているだけで楽しい。
 気になる人は、初金堂の店頭で入手しよう。初金堂のWEBサイトでも閲覧可能だ。
“ヒミツの倉庫”に潜入!

 そこら中が時計・時計・時計……。時計で埋め尽くされている店内。だが、まだ何か違ったお宝が眠ってそうな気配がする。

 「実は、ヒミツの倉庫があるんですよ。こっちにいらっしゃい。」そうやって初田氏に案内された、ビルの奥にある倉庫。恐るおそる扉を開けると……目に飛び込んできたのは、膨大な量の時計資料だった! 特に、セイコー社が1950年代に作った、ムーブメントの技術資料は、マニア垂涎ものの珍しさだという。

 他にもブレスレットなどアンティーク時計の備品や、アンティーク置時計など興味深いものがギッシリと詰まった“ヒミツの倉庫”であった。
アンティークファンに向けて
 さて、そろそろ閑話休題。最後に、アンティーク時計の魅力とは何か? 究極のテーマを初田氏にぶつけた。

 「やっぱり温かみでしょうな。プラスチック風防には丸みがあって温もりを感じられますよね。あと、素材がいいのもそう。同じステンレスでも、この時代のステンレスは精錬方法が今と全然違うんですよ。刀鍛冶みたいにカンカン打ち付けて、不純物をとばして……。そうすることで、密度が高くなるんです。」
 確かに、50〜60年代の時計たちは、長期間の使用に耐えられるよう、ひとつひとつ職人の手で丁寧に、丈夫に作られているものが多い。
 「そうですね。今こんなつくり方をしたら、えらい値段になってしまいますよ。
 この時代は、時計はまだ貴金属やったんです。もちろんステンレスも貴金属ですからね。当時、素材としても新しかったんですよ。その前は、ゴールド以外の素材といえばニッケル合金ですもんね。ねずみ色の、あんまりきれいじゃない……。磨いたら中が真鍮だったりとかね。それはそれで味があるけど。とにかく、職人が夢を持ってつくり、人が愛着をもって使ってきた時計は、まさしく“工芸品”の域なんですよ。大量生産が可能な今の“工業品”とは、まったくちゃうもんやと思っています。それを、こだわりを持って身に着けることは、すごく贅沢なことじゃないでしょうか。」
 
取材を終えて・・・
  「ここへ来たら、老若男女や職業も関係なく、みんな時計を囲んで楽しくワイワイやっています。初金堂はそういうお客さんに支えられているんです。」と、初田氏は語った。
  アンティークショップというと、初心者には少々敷居が高いと想像するかも知れないが、初金堂はそんなイメージを簡単に吹き飛ばしてくれる。初田氏のほかに在籍する2名の女性スタッフも温かく出迎えてくれ、初心者から熱心な時計愛好家まで、時を忘れて“宝探し”に没頭できるショップであった。 取材/Watchonline編集部
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アンティーク初金堂

 
〒541-0054 大阪市中央区南本町3-6-14 イトウビルB2F
TEL:06-6251-4784
営業時間 平日:11:00〜19:00
土曜:11:00〜14:00
定休日 日曜、祝祭日